
生理前はワキガのニオイがきつくなる?知っておきたいホルモンとワキガの関係
「生理前になると、いつもよりワキガのニオイが気になる」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。実は、ワキガを含む女性の体臭は、生理の周期、つまりホルモンの変化に大きな影響を受けます。
そこで今回は、女性ホルモンがワキガに影響を与える仕組みとニオイを抑えるポイント、そして美容整形でできるワキガ治療について解説します。
ワキガなどの体臭と生理周期は深い関係があります
ワキガに限らず、女性の体臭と生理の周期には深い関係があります。
体臭は女性ホルモンの影響で変化
女性のホルモンの分泌量は、生理の周期にしたがって変化します。特に、体臭に影響を与えるといわれているのは「プロゲステロン(別名:黄体ホルモン)」と呼ばれるホルモンです。
プロゲステロンは排卵直後から分泌量が増えるホルモンで、体温を上げて受精した卵子の着床を助ける働きがあります。しかし、体温が上がると汗や皮脂の分泌がさかんになり、体臭が強くなりがちです。また、汗や皮脂の量が増えると雑菌の繁殖が活発になるため、ますます体臭がきつくなりやすいでしょう。
プロゲステロンの分泌量は2週間ほどで減少しますが、その間、つまり排卵直後から生理が開始するまでの期間は、体臭が強くなりやすい環境が整っているということになります。そして体臭が強くなりやすい期間は、ワキガのニオイも強くなると考えられるのです。
妊娠や出産でワキガ臭が変化することも
妊娠期や出産後は、ホルモンの分泌量が大きく変わる時期です。そのため、体臭が変化したり、今までワキガではなかった人にワキガ臭が発生したりすることもあります。
妊娠・出産にともなうワキガ臭などの変化は一時的なもので、生理が再開する頃には妊娠前と同じ状態に戻ることが多いでしょう。しかし妊娠前から生理前の体臭変化に悩まされていた人は、生理の再開とともに再び体臭の悩みを抱えることになります。
生理前のワキガ対策のポイントは「清潔さ」

生理前のホルモンの変化をなくしたり、体温の上昇を抑えたりすることはできません。そこで、生理前のワキガ対策では、清潔な環境を維持してニオイの発生を防ぐのが重要なポイントとなります。
何よりも大切なのは汗のケア
ワキガのニオイは、アポクリン汗腺から分泌される汗が、皮膚の表面の細菌に分解されることで生じます。そのため、ニオイの元である汗のケアが何よりも大切になります。
まず、汗をかいたらこまめにふき取るようにしましょう。汗を長時間放置すると、ニオイが強くなりがちです。ワキガではない場合であっても、汗をこまめにふき取ることで体臭を軽減させる効果が期待できます。
ただし、アポクリン汗腺から分泌される汗は粘り気が強く、乾いたタオルでは上手にふき取ることができません。汗取り専用のシートやぬれたタオルなどでふき取るようにしましょう。
わき毛のケアも忘れずに
わき毛のケアをすることも、ワキガのニオイを抑える重要なポイントの一つです。
わき毛が長いと雑菌が繁殖しやすくなるため、ニオイが強くなりやすいです。また、わき毛が長いと汗がとどまりやすくなり、ニオイが周囲に拡散しやすくなります。
定期的にムダ毛のケアをしてわき毛の量を減らしたり短くしたりしておけば、ニオイをかなり抑えることができるでしょう。
制汗剤や殺菌剤を上手に使って
汗の分泌を抑える制汗剤や、細菌の増殖を抑制する殺菌剤を使用するのも、ニオイの軽減に効果が期待できます。
ワキガに合わせた商品も数多く販売されているので、使いやすく肌に合うものを選ぶようにしましょう。
なお、制汗剤や殺菌剤は、スプレー、ローション、クリーム、軟膏など、さまざまな種類が販売されていますが、わきに直に塗布できるロールオンタイプのローションやクリーム、軟膏がおすすめです。
また、入浴時には殺菌作用のあるミョウバン入りの石けんなどを使って、ニオイの元を洗い流すようにしましょう。
ゴシゴシ洗いは逆効果
「ニオイが気になるから」といって、わきの下をボディタオルなどで強くこすることはおすすめできません。
わきの下を強くこすって洗うと、皮膚上の細菌のバランスがくずれて汗を分解する細菌の数が増えることがあります。また、摩擦の刺激から肌を守るために皮脂の分泌が活発になり、ニオイがより強くなることもあります。
わきの下を洗う際には、手のひらに石けんやボディソープの泡をたっぷりつけ、優しく洗うようにしましょう。なお、洗い残しがあると汗を分解する細菌が増えやすくなるので、丁寧に洗い流すことも大切です。
日常生活に支障がある場合はワキガ治療も選択肢の一つ
ケアをしてもニオイが気になる場合や、ワキガが原因で日常生活に支障が生じている場合には、積極的な治療も選択肢の一つとなります。
多汗症にも効果が期待できるボツリヌストキシン注射
ボツリヌストキシン注射は、ダウンタイムがほとんどなく生活上の制限もないため、忙しい方や活動量の多い中高生でも受けやすい治療です。また、発汗を抑える力が強いので、多汗症にも効果が期待できます。
治療効果は、注射後2~3日目からあらわれ始め、1~3ヵ月後くらいがピークとなります。その後は徐々に効果が弱くなりますが、6ヵ月ほどは効果を実感できることが多いでしょう。
「大切なイベントに合わせて一時的にでもニオイを抑えたい」、「汗をかく季節だけニオイが抑えられればいい」という方には、おすすめの治療法といえます。
ダウンタイムが気になる場合はマシンでの治療を検討
「長期的な効果を望むものの、ダウンタイムが長いのは困る」という方におすすめなのは、マシンによる治療です。ワキガ治療に用いられるマシンには、「ビューホット」と「ミラドライ」があります。
ビューホットは、高周波で汗腺を焼灼・破壊するマシンです。一方、ミラドライは電磁波で汗腺を破壊するマシンです。
いずれもダウンタイムはほとんどなく、施術当日から通常の生活を送ることができます。施術時間はビューホットが両脇で20分程度、ミラドライは両脇で30~60分程度です。
マシンの性質上、照射範囲はミラドライの方が広いため、施術後の腫れ・内出血などが起こる可能性がわずかに高くなります。
なお、症状や生活背景などにより選択すべきマシンは異なるので、医師に相談して最適なものを選ぶようにしましょう。
症状が強い場合は手術で汗腺を除去
ワキガの症状が非常に重い場合は、手術で汗腺を除去することも選択肢として考慮する必要があります。
ワキガ手術として広くおこなわれているのは、イナバ法と剪除法(せんじょほう)です。
イナバ法は、わきの下の皮膚を小さく切開し、専用のシェーバーで皮膚の内側を削り取る手術です。一方、剪除法は、皮膚を切開して反転させ、アポクリン汗腺を取り除く方法です。
いずれの方法でも、手術時に汗腺と一緒に毛根を取り除くため、永久脱毛効果を得ることができます。また、皮膚を剥離する治療のため、手術後は圧迫固定し、テーピングを施します。抜糸されるまでの1週間程度は安静にして、無理のない生活を送るようにしましょう。
ホルモンの影響を受けやすいワキガ!気になる場合は治療も視野に入れましょう
生理前はホルモンの影響で、ワキガなどの体臭が強くなりがちです。こまめに汗をふく、わき毛のケアをする、制汗剤などを利用する、といったことでニオイを軽くすることは可能ですが、日常生活に支障が生じる場合は医療機関を受診して相談しましょう。
当クリニックでは、ワキガだけではなく多汗症の症状にも配慮して、よりよい治療方法を提案しております。他院で受けた治療の効果が不十分であった場合の再治療に関するご相談にも対応しておりますので、ワキガの悩みから解放されたい方、ワキガの治療をこれで最後にしたいという方は、当クリニックにお越しください。
銀座長澤クリニックは、あなたのお悩みに向き合い、どのようなことでも親身にお応えします。
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