多汗症の治し方【生活習慣の見直しから手術まで】

多汗症の治し方とは?おもな原因やセルフチェック法、治療方法まで徹底解説

緊張やストレスで汗をかいたり、刺激のある食べ物で発汗量が増えたりすることは、だれにでもあるものです。しかし、生活に支障が生じるほど大量に汗をかく場合は「多汗症」かもしれません

多汗症はさまざまな原因で症状が悪化しますが、生活習慣の改善で発汗量が抑えられることもあります。また、医療機関で治療を受けることもできますが、定期的な通院が必要であったり、副作用が生じたりする場合もあるようです。

そこで今回は、多汗症の原因や日常でできるケア方法を紹介するとともに、医療機関で受けられる治療の概要、注意点などを解説します。多汗症のセルフチェックや重症度の目安にも触れるので、汗の量にお悩みの方はぜひ参考にしてください。

多汗症にはさまざまな原因が考えられます

多汗症を治すためには、多汗症の原因を知っておかなければなりません。ここではまず、多汗症のおもな原因を見ていきましょう

ストレスや緊張などにともなう多汗症

強い緊張や不安などのストレスにさらされると、交感神経が活発になって発汗が促されます。そして多汗症の人が汗をかきやすいのは、交感神経がとても敏感であることが原因だといわれています。しかし、交感神経が敏感になる理由は明らかになっていません。

病気が原因の多汗症

代謝や内分泌に関わる病気、神経に関連する病気などがあると、多汗症の症状があらわれることがあります。また、感染症が原因で量が増えることもめずらしくありません。

多汗症の原因となる病気や症状としては、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、糖尿病、肥満症、パーキンソン病、結核、敗血症、悪性リンパ腫などがあります。

ホルモンバランスの乱れによる多汗症

ホルモンバランスの乱れが原因で、多汗症になることもあります。よく知られているのが、更年期に生じる多汗症です。その他、妊娠や月経の影響で汗の分泌量が多くなることもあります。

食生活などの影響で生じる多汗症

辛いものや熱いものを食べたときには多少の発汗をともなうものですが、顔面を中心にしたたるほどの汗をかく場合は多汗症かもしれません。また、中枢神経を刺激するカフェインやニコチンが原因で、多汗症の症状があらわれることもあります。

 

簡単にできる多汗症のセルフチェックと重症度判定

多汗症かどうかは、セルフチェックである程度判断できます。重症度の目安も併せて紹介するので、汗の量に不安がある方はぜひチェックしてみてください。

多汗症のセルフチェック

汗の量が気になる場合は、多汗症に特徴的な症状があるかどうか、チェックしてみましょう。下記のなかで該当する項目が多い場合は、多汗症が疑われます。

  • 暑さ・寒さに関係なく汗をかく
  • 何もしていないのに汗をかく
  • 緊張すると手のひらやわきの下に大量の汗をかく
  • 手のひらや足の裏が常に湿っている
  • 本やノートが手指の汗で湿る
  • 服に大きな汗ジミができる
  • 汗拭きタオルや制汗剤が手放せない

多汗症の重症度判定

次は、多汗症の重症度チェックです。

  1. 気になるほどの発汗はない。汗で困ることはない。
  2. 発汗量は我慢できる程度。ときどき汗で困ることがある。
  3. 発汗量は多いがどうにか耐えられる。汗で困ることが多い。
  4. 耐えがたいほどの発汗がある。常に汗で悩んでいる。

3または4に該当する場合は「重症」と診断されます。しかし、自覚症状には個人差があるものです。汗の量が客観的に少なくても悩みが深い場合は、医療機関を訪れ積極的に相談することをおすすめします。

日常生活に取り入れることができる多汗症の治し方

前述のように、多汗症の原因は日常生活と深く関わっているものくあります。そこで生活習慣の改善など、セルフケアで多汗症の症状をやわらげる方法をいくつか見ていきましょう。

食生活の改善

汗の量が気になる場合は、辛いものや熱いものなど刺激の強い食べ物を避けるようにしましょう。やむをない場合は、摂取量を控えてください。また、交感神経の働きを活発にするカフェインも避けるべきです。カフェインは、コーヒーや紅茶のほか、栄養ドリンクなどにも配合されています

生活習慣の改善

タバコに含まれるニコチンは、交感神経を刺激します。多汗症の方は、禁煙・減煙を心がけましょう。また、しっかり眠ることリラックスできる時間を持つことも大切です。ストレスをコントロールして心や体を緊張から解放すると、汗の分泌量を抑えられます。

制汗剤の使用

市販の制汗剤の利用も有効です。制汗剤を使用して安心感を得ることができれば、それだけで発汗抑制効果が期待できます。また、汗のニオイが気になる場合は、デオドラント効果のあるものを使用するとよいでしょう。

 

医療機関で行なわれる多汗症の治療方法

生活習慣の改善をしても発汗量が抑えられない場合は、医療機関での治療も視野に入れましょう。

病気が原因の場合は治療が最優先

病気が原因で発汗量が増えている場合には、病気の治療が最優先です。原因となっている病気の治療が進めば、それにともな発汗量も減ってきます。

多汗症の原因となる病気のなかには、早急に治療しなければ命に関わるものもあります。ある時期から急に発汗量が増えた、多汗以外にも気になる症状がある、という場合には早めに医療機関を受診しましょう。

塗り薬で汗を抑える

1日1回寝る前に、塩化アルミニウム配合塗り薬を、発汗量の多い部分に塗布します。症状によっては日中に使用することもあります。手足の発汗量が多い場合は、塗り薬を塗ったあとに、食品用ラップフィルムやプラスチック製手袋などで覆うと効果的です。

塗り薬を使う治療は、効果が出るまでに2~3週間かかります。もっとも、発汗量が落ち着いてきたら週2~3回塗るだけで効果を維持することが可能です。

弱い電流を流す治療

「イオントフォレーシス」と呼ばれる治療です。手のひら、足の裏を水道水の入った容器内に浸し、弱い電流を流します。感電することはないのでご安心ください。1回30分の治療を8~12回ほど定期的に繰り返すと、発汗量が減ってきます。効果を維持するために、週1~2回の治療が必要です。

なお、わきの下の治療は体の構造的に難しいので、手足の多汗症のみが適応となります。

ボツリヌストキシン注射による治療

発汗に関与するアセチルコリンという物質の分泌を、ボツリヌストキシン(ボトックス)で抑え、汗の量を減らす治療です。発汗量の多い部分にボトックス注射をすると、2~3日後から汗の分泌量が減ってきます。注射の効果は1~3ヵ月後がピークですが、発汗抑制効果は6ヵ月ほど持続します。

ボトックスには筋肉の収縮を抑える働きがあるため、手のひらなどに注射すると筋力の低下が見られることがあります。しかしこれは一時的なもので、自然に筋力は回復してきます。

手術による治療

胸部の「交感神経節」と呼ばれる部分を切り取ったり焼き切ったりする方法で、内視鏡的胸部神経遮断術(ETS)と呼ばれます。全身麻酔で内視鏡を使って行ないます。

手のひらの多汗症に大変有効な治療ですが、手術後に胸、腰、背中などから大量に汗をかく「代償性発汗」が生じることがあります。この手術は一度行なうと元の状態に戻すことができないため、手術前にメリット・デメリットをよく理解しておかなければなりません。

マシンによる治療

マイクロ波や高周波を使ったマシンで汗腺を熱破壊し、発汗量を抑える治療方法です。マイクロ波を利用したマシンとしては「ミラドライ」、高周波を利用したマシンとしては「ビューホット」があります。

いずれも、皮下にあるアポクリン汗腺(わきがの原因となる汗腺)やエクリン汗腺(多汗症の原因となる汗腺)を熱変性・破壊するので、多汗症わきがの治療が同時に可能です。一度ダメージを受けた汗腺は再発しないため、一度の治療で長期的な効果が期待できます。

マシンによる治療は皮膚へのダメージが少なく、ダウンタイムもほとんどないので、手術に抵抗がある方や頻繁に通院することが難しい方におすすめです。なお、マシンによる治療は、おもに美容整形で行なわれています。

 

生活習慣の見直しで改善しない多汗症は医療機関で治療しましょう

多汗症は、精神的なストレスや食習慣などが原因で、症状が悪化することがあります。また、病気などが原因で多汗症が生じることもあります。生活習慣の見直しで症状が改善しない場合は医療機関を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。

当クリニックでは、多汗症の治療としてボトックス注射やマシンによる治療を行なっています。また、わきがと多汗症を同時に治療できる手術(長澤式イナバ法・切開剪除法)にも対応しております。セルフチェックで多汗症が疑われる場合や、「汗だけではなくニオイも気になる」という方は、お気軽に当クリニックへご相談ください。

記事の監修者:長澤 誠一郎

1984年慶應義塾大学医学部卒業。
医学博士。
日本美容外科学会認定専門医。
多くの治療実績を積みながら、
大手美容外科での院長経験を経て、2010年に銀座長澤クリニックを開院。
現在は日本美容外科医師会の理事を務める。
銀座長澤クリニックのすべての治療を担当している。

銀座長澤クリニックは、あなたのお悩みに向き合い、どのようなことでも親身にお応えします。
お問い合わせは無料ですのでお気軽にご相談ください。

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