
ワキガがきつくなる・改善する食べ物を医師が解説!
「ステーキを食べた次の日は、ワキガがきつくなる気がする。」「野菜をたっぷり食べると、体臭があまり気にならない。」そんな経験はありませんか。
実は、ワキガに限らず体臭は食生活と深い関わりがあります。ニオイのきつい食材を食べたときだけではなく、肉や脂肪分の多い食事を続けると体臭が強くなるのはそのためです。
そこで今回は、ワキガと食生活の関係を中心に、ニオイを強くする食品や体臭をおさえるために効果的な食生活などを紹介します。
食べ物はワキガと密接な関係があります
ではまず、ワキガと食生活の関係について説明します。
肉食中心の食事がワキガに関係
ワキガになる人の割合は、民族や国によって大きく異なります。
日本人の場合、軽いワキガも含めると10~15%の人にワキガがあります。これに対し、黒人はほぼ100%、欧米人では70~90%の人にワキガがあるといわれています。この発生率の差は、体質の遺伝だけではなく食習慣にも関係があると考えられています。
黒人や欧米人は、古くから肉食中心の生活をしています。肉食中心の生活は、ワキガの原因となるアポクリン汗腺の働きを活発にする傾向があります。また後述しますが、動物性たんぱく質や脂肪の多い食生活は、ワキガを含む体臭をきつくする原因となります。これらのことから、黒人や欧米人ではワキガの発症率が高いといわれています。
一方、伝統的に肉や脂肪をあまり摂取していなかった日本人のアポクリン汗腺は、欧米人などに比べて退化しているといわれています。また、体臭をおさえる効果のある食材を、普段の食事の中に多く取り入れています。そのため、日本人は比較的体臭が弱く、ワキガの発症率も低いと考えられています。
食生活の欧米化でワキガが悪化する可能性も
近年、日本の食生活の欧米化が指摘されており、肉や脂肪の摂取量もどんどん増えています。ワキガの発症には遺伝の関与も指摘されているため、食生活の変化がただちにワキガの発症につながることはありません。
しかし、もともとワキガの素因がある人は、欧米化した食事をとり続けることでニオイがきつくなる可能性があります。また、今後長い年月をかけて日本人のアポクリン汗腺が欧米人のように発達し、ワキガ体質の人が増える可能性は否定できません。
ニオイでまわりに迷惑をかける「スメハラ」が問題となっているのは、日本人の清潔志向が高まっていることだけが原因ではなく、実際に「ニオイの強い人が増えてきている」という警告なのかもしれません。
ワキガが強くなりがちな食べ物

では、具体的にどのような食べ物がワキガ臭を強くしてしまうのでしょうか。ここでは、ワキガのニオイがきつくなるといわれている食べ物について説明します。
動物性たんぱく質や脂肪は要注意
動物由来の肉や油は、欧米食でよく使われるものです。そして肉類に含まれるたんぱく質は、体内で分解されるとアンモニアや硫化物などニオイの強い物質を発生させます。また、脂肪は体内で酸化されて脂肪酸となり、ニオイの原因となります。
そのため、ワキガ体質でなくても動物性たんぱく質や脂肪を多く摂取すると、体臭が強くなることがあります。また、ワキガ体質の人は、ニオイがより一層強くなる可能性があります。
とくに、ファーストフードや一品物、市販の弁当などはこれらの成分を多く含んでいます。チーズなどの乳製品を多く使っているメニューや、こってり系のラーメンなども体臭を強くすることがあるので、気をつけましょう。
お菓子に含まれるバターやチョコレートにも気をつけて
普段の食事だけではなく、間食の内容にも注意が必要です。
スナック菓子やクッキー、チョコレートなどには、脂肪分が多く含まれています。菓子類は味がよくて食べやすいため食べ過ぎてしまうことが多く、気がつかないうちに脂肪分を大量に摂取していることがあります。
間食のとりすぎは肥満にもつながりやすく、体全体の健康にも好ましくありません。やむを得ず間食をとる場合は、カロリーだけではなく成分にも配慮するようにしましょう。
食べ物の見直しがワキガ対策につながります
ワキガのニオイは、アポクリン汗腺から分泌される汗が皮膚にいる細菌によって分解されることで生じます。そのため、食事の内容を改善するだけでワキガを完全に治すことはできません。しかし、食生活の見直しで体臭やワキガのニオイを軽くすることはできます。
そこでここからは、ワキガのニオイ対策につながる食生活について説明します。
和食はニオイをおさえる理想の食事です
日本人が昔からよく食べている和食は野菜・大豆・魚介類を中心としており、体臭をきつくする動物性たんぱく質や脂肪は少なめです。また、抗酸化作用のあるビタミンCやポリフェノール、β-カロテン、オレイン酸などの栄養素が、食材にたっぷり含まれています。
そのため、和食を中心とした食生活を送るようにすると、体のニオイを弱くすることができます。とくに、動物性の食品を一切使わず、ニラやにんにくなどニオイの強い食材を避ける精進料理は、体臭をおさえる理想の食事といえます。
皮膚の酸性化を防ぐためにアルカリ性食品をとりましょう
皮膚が酸性の状態に傾くと、ニオイのもととなる菌の増殖が高まることがわかっています。そのため、アルカリ性の食品を食事に取り入れると、より一層効果的にニオイをおさえることができます。
アルカリ性の食品には梅干しなどのほか、大豆・そば・ニンジン・トマト・レンコン・海藻類・きのこ類などがあります。そのほか、リンゴやバナナなどもアルカリ性の食品です。これらの食品は食物繊維を含むものも多いので、後述の「腸活」にもよい影響を与えます。
和食で腸内環境を整えることも大切です
和食は、腸内環境を整える「腸活」にも役立ちます。腸内環境が整うと老廃物が体内にたまりにくくなり、体臭が弱くなります。腸活によいとされるのは、乳酸菌やオリゴ糖、食物繊維などを含む食品です。
乳酸菌は、漬け物や納豆などのほか、しょうゆや味噌にも含まれています。オリゴ糖は、大豆・きゃべつ・ごぼう・じゃがいもなどに含まれています。そして食物繊維は野菜や海藻類などに多く含まれますが、とくに根菜にはたっぷり含まれています。
いずれも和食と馴染みが深く、普段の食事にも取り入れやすいものばかりです。外食時にも、ちょっと意識するだけで簡単に摂取することができます。献立に味噌汁や漬け物を一品追加するだけでもよいので、無理のない範囲で少しずつ食生活を改善しましょう。
和食を上手に取り入れて、ワキガや体臭を防ぎましょう
動物性たんぱく質や脂肪は、ワキガを始めとした体臭を強くする原因となります。欧米人にワキガの人が多いのは、体質の遺伝だけではなく、動物性たんぱく質や脂肪を多く摂取する食生活も関係していると考えられています。食生活の改善のみでワキガを治すことはできませんが、野菜・大豆・魚介類を中心とする和食は体臭をおさえる理想の食事といえます。
しかし、ワキガ臭の強さや感じ方には大きな個人差があります。食生活を改善してもニオイが気になる場合には、当クリニックでの美容整形も考慮してみてください。
当クリニックでは、ワキガの原因であるアポクリン汗腺を手術で取り除く方法のほか、医療機器を使って切らずにアポクリン汗腺を熱破壊する方法などでワキガを治療することができます。また、「夏場だけニオイをおさえたい」というような場合には、ボツリヌストキシン注射で対応することができます。
治療の選択肢は複数あります。最適な治療方法を知るために、ぜひ一度当クリニックまでご相談ください。
銀座長澤クリニックは、あなたのお悩みに向き合い、どのようなことでも親身にお応えします。
お問い合わせは無料ですのでお気軽にご相談ください。