
あなどれない目の下のたるみ!病気の原因になることも…
「年齢より老けてみられることが多い。」「疲れてる?と聞かれることがよくある。」それは、目の下のたるみやふくらみが原因かもしれません。
目の下のたるみは、美容面でもあまり好ましいものではありません。また、目の下のたるみが原因で、目の機能に影響をおよぼす病気になることもあります。
そこで今回は、目の下のたるみの原因に迫り、目の下のたるみと関係の深い「眼瞼外反症(がんけんがいはんしょう)」「眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)」という二つの病気について解説します。
目の下のたるみは病気の原因になることがあります

まず、目の下の皮膚がたるむ原因と、下まぶたがたるむことで生じるさまざまな弊害について解説します。
目の下がたるむ原因はさまざま
年齢を重ねると、コラーゲンやヒアルロン酸などの肌の弾力やうるおいを保つ成分が減少するため、しわやたるみが目立ってきます。そして、眼輪筋(目のまわりにあり、まぶたの開閉などをする筋肉)がおとろえると、脂肪や皮膚を十分に支えきれなくなるため、たるみが生じます。また、肌の弾力や眼輪筋がおとろえると、眼窩脂肪(眼球を支えるクッションのような脂肪)が重力の影響で押し出され、下まぶた(涙袋にあたる部分)がふくらんできます。
さらに、血行不良で生じるまぶたのむくみ、目の酷使による眼精疲労も目の下のたるみにつながります。その他、クレンジングによる摩擦も肌に大きな負担をかけるため、目の下のたるみに影響します。
目の下のたるみは見た目だけでなく目の機能にも影響
目の下がたるむと、年齢より老けて見えたり疲れた印象を与えたりします。さらに、目の下のたるみは、見た目だけではなく、目の機能にも影響することもあります。
目の下がたるむと、下まぶたが眼球から離れて外側にめくれてしまうことがあります。逆に、下まぶたが内側を向き、まつ毛が眼球にふれてしまうこともあります。その他、目のまわりの脂肪がやせて、眼球が目のくぼみの奥に移動してしまうこともあります。
このような状態になると、眼球にキズがつきやすくなったり、視野が狭くなったりするため、目の機能にも影響を与えることがあります。特に眼球にキズがついた場合、症状によっては失明する可能性もあるため、適切な治療が必要になります。
目の下のたるみと、下まぶたが外を向く病気「眼瞼外反症」の関係
目の下がたるむと、下まぶたが外を向く「眼瞼外反症」になることがあります。ここでは、眼瞼外反症の症状と治療について解説します。
下まぶたが眼球から離れてしまう「眼瞼外反症」
眼瞼外反症は、下まぶたが眼球表面から離れ、外側を向いてしまう病気です。年齢にともない、まぶたを支える筋肉や靱帯が弱くなると生じることがあります。その他、顔面の神経まひで筋肉や靱帯の緊張が低下した場合、手術やけがなどで下まぶたの皮膚にキズがついてしまった場合などに生じることがあります。
眼瞼外反症の症状
眼瞼外反症になると下まぶたが外側を向いてしまうので、目をぴったりと閉じることが難しくなります。また、下まぶたが大きくめくれあがってしまうと、常に「あっかんベー」をしているような状態になるため、目を十分に保護することができなくなります。そのため、眼瞼外反症になると目が乾燥してキズがついたり、涙の分泌量が増えたりします。また、目の乾燥や充血も起こりやすくなります。
しかし、眼瞼外反症が原因で視力が落ちたり視野が狭くなったりすることは、ほとんどありません。ただし重症の眼瞼外反症では、眼球表面が露出したままになる「兎目(とがん)」という状態になります。重症の兎目になると、角膜(黒目の表面をおおっている透明な膜)が重い病気にかかりやすくなり、失明の危険性が高くなります。
眼瞼外反症の治療
眼瞼外反症では、目の乾燥を防ぐためにこまめに目薬をさす必要があります。また、必要に応じてぬり薬を使用することもあります。そして、根本的に治療するためには、手術が必要となります。
下まぶたに皮膚を移植する方法
眼瞼外反症では、まぶたの表側から引っ張る力が強く、裏側から引っ張る力が弱い状態になっています。そのため、下まぶたに皮膚を移植して余裕を持たせて表まぶたの引っ張る力をやわらげると、まぶたの向きを正しい位置に調節することができます。
たるんだ筋肉や靱帯を修復する方法
筋肉や靱帯のたるみを修復して、まぶたの状態を正常化する方法もあります。この手術では、下まぶたから目尻にかけて切開し、皮膚や筋肉などを処置してピンと張った状態に修正します。
目の下のたるみと、下まぶたが内側に向く病気「眼瞼内反症」の関係
次は、下まぶたが内側を向く「眼瞼内反症」の症状と治療についてです。
眼球が目の奥に移動すると生じやすい「眼瞼内反症」
眼瞼内反症は、下まぶた全体が内側を向いてしまう病気です。
年齢とともに眼球を支える靱帯や眼輪筋がおとろえ、眼窩脂肪が小さくなってくると、眼球が目のくぼみの奥に移動します。このとき、まぶたが少し余り気味になるのですが、まぶたを内側から引っ張る力が強いと、眼瞼内反症になります。
眼瞼内反症は、結膜(まぶたの裏側と白目の前面をおおっている透明な膜)の病気の後遺症や甲状腺の病気が原因で生じることもあります。
なお、眼瞼内反症によく似た「睫毛内反症(しょうもうないはんしょう)」という病気があります。こちらはいわゆる「逆さまつ毛」で、幼い子供や若年者によくみられます。睫毛内反症ではまぶたの状態は正常で、内側を向いていません。しかし、まつ毛が余分な皮膚に押されて、目の内側を向いてしまいます。
眼瞼内反症の症状
眼瞼内反症では、内側を向いたまつ毛が眼球にふれるので、痛みやかゆみが生じることがあります。また、涙があふれたり、角膜炎や結膜炎を起こしたりすることもあります。その他、目やにが出たり、まぶしさを感じたりすることもあります。
眼瞼外反症同様、眼瞼内反症が原因で視力が急激に落ちたり、視野が狭くなったりすることはほとんどありません。しかし、まつ毛による角膜炎や結膜炎が原因で、視力が低下する可能性はあります。
眼瞼内反症の治療
眼瞼内反症の根本的な治療は、手術になります。手術では、まつ毛の下のたるんだ筋肉や皮膚を切除し、ていねいに縫合します。
なお、目にあたるまつ毛を自分で抜くことはおすすめできません。たしかにまつ毛を抜けば痛みやかゆみなどは一時的に収まりますが、根本的な治療にはなりません。また、毛を抜いた部分から雑菌が入って感染症を起こしたり目をキズつけたりする可能性があります。眼瞼内反症が疑われる場合は医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう。
目の下のたるみが気になったら、医療機関に相談しましょう
下まぶたのたるみは年齢とともに生じるものですが、ときに視力や視野など目の機能にも悪影響を与えます。たかがたるみ、とあなどるのは危険です。目の痛み・かゆみがある場合や涙の量が多い場合には、医療機関を受診して適切な治療を受けるようにしましょう。
病気に至らない場合であっても、目の下のたるみは見た目年齢や印象に大きな影響を与えます。当クリニックでは、目の下の余分な皮膚を除去してたるみをとる手術や眼窩脂肪を下まぶたから除去する手術などに対応しております。また、眼窩脂肪を除去せず、適切な位置に移動する手術も行っております。「目の下のたるみを取り除きたい」「下まぶたのふくらみをスッキリさせたい」という方は、ぜひ一度当クリニックにご相談ください。
銀座長澤クリニックは、あなたのお悩みに向き合い、どのようなことでも親身にお応えします。
お問い合わせは無料ですのでお気軽にご相談ください。