
脂肪吸引には後遺症がある?リスクを避けるために知っておきたい3つのポイント
脂肪吸引は、数ある痩身治療のなかでも高い効果が期待できるおすすめの治療です。しかし、過去に合併症や死亡例が報告されているため、「脂肪吸引は怖い」と不安を感じている方もいらっしゃることでしょう。
そこで今回は、脂肪吸引で起こりうる後遺症について、症状や原因、対処法までわかりやすく解説します。後遺症のリスク軽減に役立つポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
脂肪吸引とはどんな施術?危険といわれるのはなぜ?
まずは、脂肪吸引とはどのような施術なのか、そして「危険」といわれるのはなぜなのかをみていきましょう。
脂肪吸引はおすすめの痩身治療
脂肪吸引は、カニューレと呼ばれる細い専用の注射器で、皮下の脂肪細胞を物理的に取り除く治療です。脂肪細胞そのものの数が減るため、施術部位の確実なサイズダウンが期待できます。
また、脂肪細胞の数は成人後に増えることはないため、よほどの不摂生をしない限りリバウンドすることはありません。さらに、脂肪吸引ならば、通常のダイエットではかなえるのが難しい部分痩せも可能です。
運動や食事制限をしなくても美しいボディラインが目指せる脂肪吸引は、まさに理想の痩身治療といえます。
脂肪吸引が「危険」といわれる理由
脂肪吸引で重大な医療事故が起きることは、ほとんどありません。しかし極めて稀ですが、過去には死亡事故が起きています。特に、2009年と2017年に起きた死亡事故はマスコミでも大きく取り上げられたため、脂肪吸引に対してマイナスイメージを持つ方は少なくないでしょう。
もっとも、今までに報告されている死亡事故のほとんどは、医師の技術力不足や麻酔操作の管理ミスが原因です。そしてその多くは、防ぎうる事故であったともいわれています。
脂肪吸引は多くの美容クリニックで行なわれていますが、神経や血管を傷つけず、安全に配慮しながら美しい仕上がりにするためには、医師の知識・技術・経験が不可欠です。
したがって、重大な事故のリスクを避けて脂肪吸引を受けるためには、デメリットまで含めてきちんと説明してくれる信頼できる医師を選ぶことが重要といえます。
脂肪吸引で起こりうる後遺症
では実際に、脂肪吸引ではどのような後遺症が生じうるのでしょうか。ここでは、後遺症ごとに症状と原因、対処法を解説します。
脂肪吸引で起こる可能性がある後遺症
比較的頻度が高く、だれにでも起こりうる後遺症をみてみましょう。
・皮下出血
- 症状
いわゆる内出血のことです。脂肪吸引部分に暗赤色や赤紫色のあざ状のものがあらわれ、押すと痛みを感じることもあります。経過とともに色が薄くなり、2週間ほどで目立たなくなる場合がほとんどです。
- 原因
脂肪吸引時に毛細血管が傷つくことが主な原因です。
- 対処法
しっかりと圧迫して出血量をおさえることが重要です。また、血行が良くなると出血量が多くなりやすいため、患部を冷やすのも有効です。
・はれ
- 症状
吸引部位がふくらみ、熱を持ったような感覚になります。はれがひどいと、一時的に吸引前より太く見えることもあります。ピークは術後3日目くらいで、その後1~2週間ほどで落ち着いてきます。
- 原因
皮下組織にできた傷が治る際に生じる反応の一つです。
- 対処法
圧迫と冷却を行なうのが有効です。
・むくみ
- 症状
吸引した部位や周囲が、ぷよぷよとした感触になります。はれとは異なり、熱っぽさなどはなく、症状が続くのは1~2週間ほどです。
- 原因
脂肪組織がなくなったスペースに、リンパ液や麻酔液などが停滞するために生じます。
- 対処法
患部をしっかり圧迫するとともに、水分をたっぷり摂取して余分な水分の排出をうながすことが大切です。そして、手術から1週間ほど経ったら、患部をマッサージするのもおすすめです。ただし、手術直後のマッサージは、内出血や痛みを悪化させる可能性があるため避けましょう。
・しびれや感覚の変化
- 症状
ピリピリしびれる感じが続き、感覚が麻痺して鈍くなります。
- 原因
カニューレ操作による末梢神経の損傷がおもな原因です。また、むくみや術後の固定による神経の圧迫が原因となることもあります。
- 対処法
自然治癒を待てば、徐々に症状は改善していきます。神経の修復を助けるビタミンB12製剤が処方されることもあります。
・カニューレ挿入部の傷跡(患者自身の体質によらないもの)
- 症状
カニューレ挿入部の傷が線ではなく幅のある傷跡になり、傷跡が盛り上がります。
- 原因
カニューレを出し入れする際の摩擦がおもな原因です。
- 対処法
カニューレの摩擦から皮膚を守るプロテクターを使用するクリニックを選ぶようにしましょう。また、目立たない部位を切開するよう、医師に相談してもよいでしょう。
・色素沈着
- 症状
皮膚が茶色くなり、ガサガサとした質感になります。
- 原因
脂肪を吸引し過ぎて、皮膚と筋組織が癒着を起こして発生します。
- 対処法
実績のある医師のもとで施術を受けるのがポイントです。また、深い層からの脂肪吸引を心がけているクリニックを選ぶのも有効な対処法といえるでしょう。
・筋肉の損傷
- 症状
強い筋肉痛のような痛みが生じます。
- 原因
カニューレで筋膜や筋肉を刺してしまうと起こることがあります。
- 対処法
まずは経過を観察し、必要に応じて処置を行ないます。経験と実績が豊富な医師のもとで施術を受けるようにすることで、リスクを下げることができます。
・皮膚の凸凹
- 症状
患部がでこぼこしたハムのような質感になります。
- 原因
過剰な吸引や、むらのある吸引、術後の圧迫不足などがおもな原因です。
- 対処法
術後の圧迫を自己判断でゆるめないことが重要です。さらに、仕上がりの自然さ、美しさにこだわるクリニックを選ぶことも大切です。
脂肪吸引でごく稀に起こる重篤な後遺症
次に、頻度は低いものの、注意したい重篤な後遺症について紹介します。
・血栓・脂肪塞栓
- 症状
しびれ・痛みなどが起こります。
- 原因
施術時に傷ついた血管内に血液の塊や脂肪の粒が流れ込み、肺などの細い血管を詰まらせるために生じます。
- 対処法
術後に安静にし過ぎず、医師の指示にしたがうことが重要です。(ただし、過度の運動はNG)また、水分をしっかり摂ることを心がけ、万一異常を感じたら、すぐにクリニックへ連絡するようにしましょう。
・血種
- 症状
脂肪吸引した部分が大きくはれあがり、暗赤色になります。
- 原因
血管が損傷して多めに出血し、皮下にとどまることで生じます。
- 対処法
クリニックでたまった血液を排出する処置を行なったり、圧迫したりします。
・感染症
- 症状
患部の痛み・はれ・発熱・膿などが発生します。
- 原因
傷口からの細菌侵入が原因です。また、患者自身の抵抗力低下が原因となることもあるため、注意が必要です。
- 対処法
傷口を清潔に保つことが大切です。抗生剤が処方されている場合は、医師の指示にしたがって飲み切り、自己判断で服用を中断しないようにしましょう。
・やけどや皮膚の壊死
- 症状
皮膚の色が黒っぽく変化したり、水ぶくれができたりします。
- 原因
脂肪吸引時に使用する超音波マシンで、皮膚がやけど状態になるのが原因です。
- 対処法
マシンの取り扱いに慣れており、熟練した技術を持つ医師を選ぶのがポイントです。また、カウンセリング時には、使用する機器の種類まで確認するようにしましょう。
万が一の場合に備え、アフターケアが充実しているクリニックを選ぶと安心です。
・漿液腫(しょうえきしゅ)
- 症状
吸引部位がはれ、ぶよぶよとした感触になります。
- 原因
脂肪細胞がなくなった部分に大量の体液がたまって生じます。吸引量が多いと生じやすくなります。
- 対処法
クリニックで体液のたまっている部分に針を刺し、体液を排出させます。
【脂肪吸引】後遺症のリスクを回避する3つのポイント
脂肪吸引にさまざまな後遺症があることを知り、怖くなってしまった方もいるかもしれません。しかし、重大な後遺症の多くは回避できるものです。そこでここからは、後遺症のリスク回避に役立つ3つのポイントを紹介します。
【脂肪吸引】最も大切なのはクリニック選び
やはり大切なのは、信頼できるクリニック・医師を選ぶことです。はれやむくみなど避けるのが難しい後遺症もありますが、医師の技術力・診察能力でリスクをおさえられる後遺症もあります。
美容クリニック選びに迷ったら、以下の点に留意して信頼できるクリニック・医師をみつけましょう。
- ていねいなカウンセリングをしてくれるかどうか
手術に対する不安をしっかり受け止めてくれるクリニックを選びましょう。
- カウンセリングをした医師が施術を担当してくれるかどうか
カウンセリング医と施術医が異なると、思うような仕上がりにならないことがあります。
- セカンドオピニオンに気軽に応じてくれるかどうか
自院での施術を強引に迫るクリニックは避けるべきです。
- デメリットまで隠さず教えてくれるかどうか
良いことばかりアピールするクリニックは信用できません。リスクまで包み隠さず教えてくれるクリニックを選びましょう。
脂肪吸引の手術前に心がけること
手術を受けることを決めたら、後遺症のリスクをおさえるために体調を整えましょう。
タバコを吸っている方は、禁煙を心がけてください。喫煙すると末梢循環(手足の血流)が悪くなるため、傷の治りが遅くなります。後遺症のリスクも高まるため、手術の前後は完全禁煙が理想です。
また、脂肪吸引は出血が避けられないため、貧血傾向のある方は鉄分を摂取して手術に備えてください。風邪にも要注意です。風邪をひいていると、手術が中止になることもあります。規則正しい生活を心がけ、万全の体調で手術に臨みましょう。
なお、治療中の病気がある方・服用中の薬がある方は、持病の主治医に必ず手術の許可をとってください。病気の内容や服用している薬の種類によっては、手術が難しい場合もあります。手術前に服薬を中止しなければならない薬もあるため、主治医および脂肪吸引の施術医と相談のうえ、服用中止日・施術日を決定しましょう。
脂肪吸引の手術後に気をつけること
脂肪吸引の手術後は、医師からの指示を守って生活してください。指示を守らず、激しい運動をしたり入浴したりすると、後遺症のリスクが高まります。圧迫包帯を勝手に外すのもNGです。
そして薬が処方されている場合は、用法用量を守ってきちんと飲みましょう。特に抗生剤は、用法どおりに飲むことが大切です。自己判断で中断すると、感染症リスクが高まります。そして、痛み止めは飲み過ぎないようにしましょう。頻繁に飲むと、胃が荒れたり頭痛を誘発したりする場合があります。
術後の診察も、必ず受けてください。術後の経過観察は、後遺症を見逃さないためにとても重要です。後遺症の発見が遅れると治療が難しくなることもあるため、スケジュールをうまく調整して必ず受診してください。
ただし、体調変化がある場合は受診日を待つ必要はありません。すぐに施術医に連絡し、指示を仰ぎましょう。
脂肪吸引は経験と実績のあるクリニックで
脂肪吸引は手術である以上、後遺症のリスクをゼロにはできません。しかし、重大な後遺症の多くは避けることが可能です。脂肪吸引を希望する際は、後遺症のリスクを避けるために経験と実績のあるクリニックを選ぶようにしましょう。
当クリニックでは、治療前の診察とカウンセリングに時間をかけ、ご希望をていねいにヒアリングします。カウンセリングを担当するのは、美容外科医歴30年超の院長です。もちろん術後の経過管理も徹底しており、電話やWeb、LINEでの相談も随時受け付けております。脂肪吸引手術に興味のある方は、当クリニックにぜひご相談ください。
銀座長澤クリニックは、あなたのお悩みに向き合い、どのようなことでも親身にお応えします。
お問い合わせは無料ですのでお気軽にご相談ください。