
豊胸手術が授乳に与える影響|豊胸方法ごとに細かく解説
「豊胸後に授乳ができなくなる」という話は、Webサイトなどでもよく見かけます。しかしその多くは、経験の少ない医師による手術や、リスクに対する十分な説明がないまま治療がおこなわれた場合など、そもそも医療機関の治療体制に問題がある場合がほとんどです。
そこで今回は、豊胸術が授乳機能に与える影響と手術後の授乳の可否、そして、授乳後に豊胸術を受ける場合に期待できるメリットを解説します。
赤ちゃんにとって大切なおっぱいは血液からつくられます
豊胸が授乳に与える影響を知るためには、乳汁が分泌される仕組みを理解する必要があります。
妊娠すると乳腺が大きく発達
乳房の組織のうち、9割は脂肪組織で、1割は乳腺で占められています。妊娠すると胸が大きくなるのは、乳房の中に張りめぐらされている乳腺が大きく発達するからです。この乳房の変化は妊娠のごく初期から始まり、早い人では着床直後から胸のハリを感じるといわれています。
ただし、胸のハリの感じ方には個人差があり、ほとんど感じない人もいます。また、1人目の妊娠と2人目の妊娠では症状が違うことも少なくありません。
妊娠中の胸のハリは、妊娠初期からつわりが軽くなる時期まで続くことが多いといわれています。その後、妊娠後期に出産に向けて胸のハリが再度強く感じられます。また妊娠中胸のハリをずっと感じる人もいます。
おっぱいのもとは血液
母乳は、乳房にある乳腺で、主に血液からつくられます。女性ホルモンの一種であるプロラクチンにより母乳をつくる指示が出されると、乳房の毛細血管に血液が流れ込みます。そして血液中の栄養素をもとに、母乳が生産されます。ただし、母乳がつくられるときに、赤い色をしている赤血球は取り除かれます。そのため、母乳は血液からつくられるものの、赤くないのです。
母乳は血液からつくられるので、授乳中は血液中に成分が移行する嗜好品や薬物の摂取を控える必要があります。例えば、タバコに含まれるニコチンやお酒に含まれるアルコールは血液を介して母乳に分泌されるので、注意が必要です。また、医薬品の中にも、授乳中の服用に注意が必要なものがあります。
なお、分泌された母乳は、乳管という細い管を通って乳頭から出てきます。乳管が詰まったり、何らかの原因で細菌感染などを起こしたりすると、乳腺が炎症を起こす乳腺炎になることがあります。
【結論】豊胸術は授乳機能に影響しません

前述のように、授乳で大切なのは「乳腺」「乳管」そして「血液」です。結論からいうと、豊胸術で乳腺・乳管・血液に悪影響が出ることはほとんどありません。しかし、副次的な影響が出る場合があるので、今後妊娠・出産・母乳保育を希望する方が豊胸術を検討する際には、医師としっかり相談する必要があります。
では、治療方法ごとに授乳への影響を細かくみていきましょう。
脂肪注入法
脂肪注入法による豊胸術は、乳房の9割を占める脂肪部分に脂肪を注入する方法です。そのため、乳腺などに直接影響を与えることはないと考えられます。
また、注入に使用する脂肪は、患者様自身の腹部や太もも部分などから採取した脂肪を利用します。そのため、体が大きな拒絶反応を起こすことは、まずありません。
このようなことから、脂肪注入法による豊胸術が母乳へ影響することはほとんどないといえます。
ヒアルロン酸注入法
ヒアルロン酸注入法は、ヒアルロン酸を胸筋と乳腺との間に入れる豊胸術です。この方法もまた、乳腺などに直接影響をおよぼすことはほとんどないといわれています。
ヒアルロン酸は徐々に体内に吸収されるため、「母乳の成分に対する影響が心配」という方もいますが、ヒアルロン酸が母乳に混ざることはないとされています。
このように、ヒアルロン酸注入法も脂肪注入法と同様に、母乳や授乳機能に影響することはほとんどないといえるでしょう。
バッグ挿入法
シリコンや生理食塩水のバッグを挿入する豊胸術では、バッグを乳腺の下か大胸筋の下に挿入します。そのため、直接乳腺に悪影響をおよぼすことは通常ありません。
しかし、妊娠中・授乳中はバッグで乳腺が圧迫され、痛みを感じる可能性があります。なお、バッグは耐久性の高い素材でできているので、乳腺が大きく発達しても破裂する可能性はほぼありません。
万が一、バッグが破損しても、シリコンが母乳に混ざることはありません。生理食塩水の場合であっても、母乳に悪影響が生じることはほとんどないでしょう。
このように、豊胸術自体が授乳に悪影響を与えることはほとんどないといえます。しかし、どのような手術であっても、乳腺や乳管に傷がつく可能性はゼロではありません。手術後に妊娠の可能性がある場合は、信頼できる医師の下で治療を受けるようにしましょう。
授乳が終わってから豊胸術を受けるという選択肢もアリ
「豊胸術を受けようかどうか迷っている」という場合は、授乳期が終わってから豊胸術を受けるという選択肢もあります。授乳後にバストがボリュームダウンしたり、形が崩れたりすることは多くの女性が経験することです。また、授乳により乳首の形が変化し、コンプレックスを抱くケースも少なくありません。
豊胸術は、バストを大きくするだけではなく、美しい形にデザインすることも可能です。また、多くの美容整形では、乳頭や乳輪のケアにも対応しています。
豊胸術は授乳で崩れた形を整えるのにも有効
豊胸術は、手術方法によってはバストアップだけではなくバストメイクも可能です。
ヒアルロン酸注入法であれば、全体的なサイズアップだけではなく、谷間メイク、デコルテのボリュームアップ、授乳後に下がってしまったバストの位置をアップ、授乳で生じた左右差の解消などの希望にも対応することができます。
また、脂肪注入法であれば、妊娠・出産で体形がゆるんでしまった部分の脂肪を利用して、バストを整えることも可能です。
美容整形ならば乳頭や乳輪のケアも可能
美容整形であれば、授乳で大きくなった乳頭、伸びた乳頭、垂れてしまった乳頭を小さくする手術にも対応しています。また、広がった乳輪を縮小することも可能です。授乳後にできやすい乳輪のまわりのシワも、バストにハリをもたせることできれいにすることが期待できます。
女性の乳房・乳首などは妊娠・出産・授乳を経て大きく形が変化します。これは、赤ちゃんの健やかな成長のために避けられないものですが、「ママになっても美しくありたい!」と思う女性にとってはショックなものです。
豊胸術や乳頭・乳輪などのケアは、そのような女性にとって美しさを保つための選択肢の一つといえるでしょう。
豊胸で授乳ができなくなることはありません!リスクを知って信頼できる医師の下で治療を受けましょう
豊胸術で乳腺や乳管などが傷つくことは、通常ありません。そのため、豊胸術を受けても授乳機能は維持されます。しかし、リスクがまったくないわけではありません。治療を検討する際には、カウンセリングで危険性に関する説明もしっかり受けるようにしましょう。
当クリニックでは、プライバシーに配慮し完全個室のプライベート空間で院長自らカウンセリングをおこなっています。豊胸術は体内に「異物」を入れる治療なので、患者様の安全を第一に考え、治療後のリスクについても隠さずご説明いたします。「豊胸術を受けたいけれど、将来は母乳で子どもを育てたい」とお悩みの方は、当クリニックに一度ご相談ください。
銀座長澤クリニックは、あなたのお悩みに向き合い、どのようなことでも親身にお応えします。
お問い合わせは無料ですのでお気軽にご相談ください。